今年一月末にアラブ首長国連邦のドバイでパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの幹部マフムード・マブフーフ氏が暗殺された事件で、ドバイ警察当局は二月十八日、容疑者として国際手配した十一人が、いずれもEU(欧州連合)の有力国やオーストラリアの偽造パスポートを持つイスラエル人であるとの可能性を明らかにした。 これに関連し、イスラエルの情報機関モサドの元工作員が豪州のメディアに「モサドが海外活動でしばしば利用する偽造パスポートはオーストラリアのもの」と暴露。このため同国の世論が沸騰し、政府もイスラエル大使を呼んで警告するなど両国関係は険悪になっている。 この告白をしたのは元幹部工作員の作家ビクター・オストロフスキー氏。オーストラリアの旅券を使う理由について次のように語っている。「中東諸国にとって豪州は比較的“未知の国”であり、しかも、英語が話せれば、同国人であると簡単に装える。英国人だと英国流のアクセントを考慮しなければならないが、オーストラリア人やニュージーランド人だと言えば、その必要性も薄い。これまで工作員は一再ならず豪州の旅券を使っている」

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