オバマ大統領「五百の公約」の達成度

執筆者:ルイス・ジェイコブソン2010年3月号

就任から一年、野心的な目標を掲げた大統領は、何を実現し、何につまずいているのか。 [ワシントン発]オバマ大統領に対する見方は様々にあるだろうが、誰も否定できない事実がひとつある。大統領選のさなかに、たくさんの公約を掲げたことだ。  政治家や著名人の発言の真偽を確認するウェブサイト「ポリティファクト(http://www.politifact.com/)」が確認したところ、二〇〇八年の選挙期間中(大統領就任後の約束は含まない)、オバマ候補は五百三もの公約を口にした。医療保険制度改革に関するもの八十一件、軍事関係三十三件、障害者政策十四件、芸術に関するものが七件、山火事対策に三件(複数の分野にまたがるものもある)……といった具合に。  そして大統領就任から一年、私たちポリティファクトの記者は、公約がどれだけ守られているか、五段階評価を行なっている(オバマとメーターをかけたObameterと名付けた指標)。公約を完全実行、部分実行、進行中(前進はしているが完全実行ではない)、足踏み、公約違反(公約とは反対のことをした)、の五段階である。  これまでの評価では、「完全実行」は九十一件で全体の五分の一弱。逆に、あからさまな「公約違反」が十四件と「足踏み」が八十六件。二つをあわせると、こちらも五分の一になる。最も多く分類されているのが、「進行中」で、半数以上の二百七十七件がここに入っている。残る三十三件が「部分実行」だ(二件は未評価)。

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