呉克烈氏の動向に関心

執筆者:平井久志2010年10月8日

 状況を「見通す」ということは本当に難しいということを実感します。 

 特に、北朝鮮のような情報の少ない国ではそうです。今回の党代表者会の結果について、筆者の見通しで、当たった部分もありましたが、当たらなかった部分もありました。

 筆者の、三男・金正恩氏が党政治局の常務委員には就かないという見通しや、人事とともに党規約の改正があるという大きな枠組みでは当たりました。

 筆者のポストの予測は「組織担当書記など党書記局内の要職への就任、あるいは先軍政治の国家理念を考慮した党軍事部長や党中央軍事委員への就任という内部的レベルにとどまる可能性が高いのではないだろうか。こうした場合は、人事そのものが公表されない可能性がある」((フォーサイト2010年9月1日「『訪中』は金正日の焦りか」)というものでした。

 「党軍事部長か党中央軍事委員」という予測はかなり良い線を行っていたのではないかと思います。だが、党中央軍事委員会に副委員長という新たなポストを用意するとは思いませんでした。この辺が、筆者の思考がその時の制度の枠内にとどまっていたということなのでしょう。党軍事部長と党中央軍事委員会に注目した点はまあまあだったと思っています。

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