米無人偵察機、知財訴訟で飛行停止の恐れ

執筆者:春名幹男2010年10月17日

 米中央情報局(CIA)が国際テロ組織アル・カエダやタリバンに対する偵察と爆撃に使用している無人機プレデターが、裁判所から飛行停止処分を命じられる可能性があることが分かった。
 プレデターに誘導ソフトを提供しているボストンのインテリジェント・インテグレーション・システムズ社(IISi)と別のソフト企業ネテッザ社の間の知的財産権をめぐる訴訟で、IISi社がマサチューセッツ州の裁判所にソフト使用の仮処分を申請、裁判所の決定が12月7日に出るためだ。
 CIAは今夏以降、パキスタンの連邦部族直轄地域(FATA)にあるアル・カエダやタリバンのアジトに対する、プレデターを使った攻撃回数を増やしている、と伝えられている。米メディア報道によると、CIAはプレデターの増産を発注したもようで、増産計画をめぐる企業間の対立や、搭載するソフトの使用をめぐり知的財産権紛争が表面化した。アフガニスタン情勢は緊迫しており、オバマ政権としてはプレデターが飛行停止になれば、アフガン戦略に極めて重大な影響を及ぼすとみられる。

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