小渕政権は任期満了に限りなく近い時期に総選挙に追い込まれ終わり――。永田町にこんな空気が流れ始めている。小渕恵三首相が通常国会の冒頭解散を否定。一月十九日の自民党大会までに自民、自由両党の合流について基本合意というシナリオ実現は難しく、通常国会冒頭解散の目はなくなった。

 亀井静香政調会長などは「自自合流は当分ない。解散はサミット後だ」と公言。自民党内には、調整能力に欠ける森喜朗幹事長と参院出身の青木幹雄官房長官には自自合流、解散総選挙の環境作りは荷が重いとの見方が広がっている。鍵を握るのは野中広務幹事長代理だが、小沢一郎自由党党首への対応をめぐって小渕首相との間に距離を置き始めているとも言われる。予算成立後の四月、沖縄サミット前後の七月の解散はまだあり得るが、小渕首相に敗色濃厚な解散総選挙に踏み切る勇気はなさそうだ。

 また、皇太子妃雅子様の流産もこうした見方を裏付ける材料とされる。御懐妊の兆候ありと報じられると、出産は八月六日との情報が永田町で流れ、自民党内には祝賀ムードを追い風にした解散への期待が膨らんだ。しかし流産が明らかになり、ショックのあまりの大きさに宮内庁の杜撰な情報管理に批判が集中、鎌倉節長官の辞任まで口にする議員も出る始末。

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