消息筋によると、インドネシアでイスラム原理勢力と国軍の一部が合流する動きがあり、今年の夏過ぎに開催される次期国民協議会(MPR)でアブドゥルラフマン・ワヒド大統領の追い落としを図る模様だ。

 イスラム原理主義勢力は、アミン・ライスMPR議長率いるイスラム政党連合の「中央同盟」に近く、イスラム制度の導入に消極的で外資誘致に熱心なワヒド大統領に不満を抱いている。一方、国軍にもウィラント将軍周辺などに不満分子がいる。国軍内でも少なからぬ高官が、昨年の東ティモールで起きた人権侵害について国際法廷で裁かれる可能性が出てきたことに反発している。

 ワヒド大統領自身、一月末に訪問したアチェ特別州サバン島で、両勢力の脅威を認めている。ライス議長に近い筋によれば、中央同盟はMPRで大統領改選に持ち込む戦略。インドネシアでは、大統領はMPRの議員七百人の投票で選出される。新しい公職選挙法では、大統領は毎年MPRで施政総括演説を行なわねばならず、この演説をMPRが受け入れない場合、大統領改選となる。ライス議長自身は大統領を支持しているが、結局は支持層に押される形で大統領選に出馬する可能性もある。

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