ナチス礼賛政党と欧米各国から非難の集中攻撃を浴びているオーストリア極右・自由党のハイダー党首にすごい「知恵袋」がついているようだ。スザンネ・リースバッサー女史がその人。このほど発足したオーストリア連立政権の副首相兼女性問題担当相(三九)である。

 ウィーンの政界関係者によれば、同女史はハイダー党首の政治信念に深く共鳴しており、長年政治行動をともにする中で、そのスポークスマン的な役割を果たしてきたという。ハイダー氏への忠誠ぶりはつとに有名で、アンチ・ハイダーの嵐が吹き荒れると、あの手この手のマスコミ対策で党首を守ってきた最大の功労者といわれている。

 党首の周囲に常に目を光らせ、信用できない人物をチェックし、党から追放するやり方から、党員の間では“クイーン・コブラ”(コブラ女王)との異名をとっている。

 ハイダー氏の彼女に対する信頼は絶大。今回、国民党との連立政権に自分は入閣せず、南部ケルンテン州知事にとどまったのも、「将来、首相の座を狙うには今は露骨な野心を見せない方が得策とのリースバッサー女史の進言を重視したから」(ウィーン消息筋)との見方もある。

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