ブッシュ・テキサス州知事とゴア副大統領による米大統領選を、ワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード記者は「史上最もダーティーな戦いになる」と予言した。両陣営は互いにスキャンダルの暴露を仕掛けつつあり、どちらが勝っても後味の悪い戦いとなる可能性が高い。

 消息筋によれば、ゴア陣営が調査しているのは、ブッシュ知事の不倫疑惑。同知事は数年前、人妻と不倫関係にあったとの情報がある。この女性は公表を拒否しており、ゴア陣営が必死に説得しているとされる。四十歳でキリストの教えに目覚めたと公言する同知事にとって、知事就任後の不倫が事実なら、致命的だ。

 一方のブッシュ陣営はゴア副大統領の民王党献金疑惑での偽証を調査中だ。同副大統領は九六年にカリフォルニア州の台湾系仏教寺院で献金集会に出席、十四万ドルの献金を集めたが、集会を組織した副大統領側近のマリア・シア氏は三月初め、政治資金規制法違反で有罪評決を受けた。副大統領は「集会が献金目的とは知らなかった」としているが、この釈明には疑問が多い。
 清新なマケイン、ブラドリー両氏退場後は、二大政党の醜い政争が展開されそうだ。

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