未公開株を武器に原盤の囲い込みを図るネットベンチャー

 帝国ホテルの大広間に設けられた舞台に登場した顔ぶれに招待客は度肝を抜かれた。小室哲哉、つんく、伊秩弘将ら大物音楽プロデューサーに、SPEED、鈴木あみ、浜崎あゆみ、モーニング娘。……。いまをときめく人気アーティストが次々と歌い、踊る。一月三十一日に開かれたこの紅白歌合戦と見紛うばかりのパーティーは、東京証券取引所が新設したベンチャー市場「マザーズ」に上場一番乗りを果たした音楽配信技術会社「リキッド・オーディオ・ジャパン」(LAJ)の上場記念パーティーである。

 ヒットチャートの常連である有名アーティストを一堂に集める力がベンチャー企業のLAJにあるはずはない。このパーティーを取り仕切ったのは、音楽業界に絶大な影響力を持つ芸能プロダクション大手のバーニングプロダクションだというのが業界の定説になっている。しかもその目的は「音楽配信ビジネスでのレコード会社潰し」(音楽業界関係者)というのだ。この関係者によると、バーニングをはじめ、ライジングプロダクション、田辺エージェンシーなどの大手芸能プロが、LAJの親会社と組んで音楽配信の事業会社を作る動きがあるという。

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