介護保険制度開始まであとわずかとなったが、亀井静香自民党政調会長の「美風」発言が論議を呼ぶなど、依然混乱も見られる。だが、「完璧ではないにしても、そこそこの制度が立ち上がっている。後は、実際に運用する中でおかしな部分を変えていけばいい」と言うのは、自民党の戸井田徹議員だ。 一九五一年生まれの戸井田氏は、故戸井田三郎元厚生大臣の次男。濁協大学法学部卒業後、父の秘書を二十年間続け、三郎氏の厚相時代には大臣秘書官を務めた。平成八年、衆議院選の公示後に亡くなった三郎氏に代わって立候補し、初当選を果たした。「最後の選挙の時は、身体はきついのに、介護保険は自分にしかまとめられないという思いがあって出馬していました。結局できずに死んじゃったけど」という父・三郎氏の遺志を果たそうという思いで、戸井田氏は介護保険制度導入に積極的に関わっていく。 導入延長が取り沙汰された昨年六月には、「自民党・介護保険を二〇〇〇年四月から実施する議員の会」事務局長として小渕首相に要請書を提出。介護保険料徴収の一定期間凍結が決定された十月には反対を表明した。十一月には「介護保険問題突破議連」を結成し、緊急アピールを提出するなど、一貫して介護保険制度の完全実施を叫んでいる。

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