加藤紘一前幹事長のジリ貧が続いている。年初に「自自公解消」を勢いよくブチあげたものの、野中広務幹事長代理、青木幹雄官房長官らの思わぬバッシングにあって以来、加藤氏は相次ぐ迂回、後退を迫られている。

 まず梶山静六元官房長官との連携。八十兆円もの国債を発行しながら自律的な景気回復に至っていない経済政策を「オブチノミクス」と批判する梶山氏と連携し、加藤氏は揺さぶりをかける構えだった。しかし梶山氏が二月中旬、交通事故の後遺症による硬膜下血腫で頭部を手術、数カ月の入院加療となり連携作戦はあえなく頓挫した。

 越智通雄前金融再生委員長が「手心」発言で失脚し、後任に加藤派の谷垣禎一氏を据えたこともそうだ。昨秋の総裁選後の組閣・党役員人事で、小渕恵三首相が谷垣氏の金融再生委員長就任を要請したのに対し、加藤氏は「一本釣り人事」と徹底抗戦、小里貞利氏の総務会長就任を断られるなど、小渕首相との溝が深まった。しかし今回、小渕首相が再び谷垣氏を指名すると、加藤氏は二つ返事で応諾。追い込まれ、小渕派にすり寄らざるを得ない加藤氏の立場が滲む。

 また、白川勝彦元自治相が主導した「政教分離を貫く会」について、ポスト小渕のライバルである森喜朗幹事長に「白川を何とかしろ」と迫られると、白川氏と会談して加藤氏は「ソフトランディングを模索してほしい」と情けない要請。その一方で、堀内光雄元通産相を創価学会の秋谷栄之助会長の元に送り込み和解を図る体たらく。

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