高速ネット接続の本命はCATV

執筆者:馬場仁志2000年3月号

二〇〇五年までには、デジタル化もほぼ完了する

 一九九七年八月以来、二年半ぶりに東京株式市場の平均株価が一万九千八百円台に乗せ、市場が沸き返っていた今年二月二日、投資家筋が早期の上場を予測している米国生まれのインターネット関連ベンチャー企業が、ネット関連企業が集中する東京・渋谷周辺の通称「ビット・バレー」のど真ん中で事務所開きを行なった。

 その会社は、米通信大手のAT&Tと住友商事、国内最大のケーブルテレビ(CATV)事業者・ジュピターテレコムの出資による「@(アット)ホームジャパン」。米国西海岸のシリコンバレーに本拠を置く「エキサイト@ホーム」の日本現地法人で、全国各地のCATV事業者に対しハイスピードインターネット接続サービスを提供するベンチャー企業である。

 一階の自動ドアに小さく「@ホームジャパン」と書かれた以外はごく質素な四階建てのビルに、CATV事業者やNTTなど通信業界関係者のほか、民放や雑誌、番組制作プロダクションなどコンテンツ企業関係者ら約二百人が駆けつけた。昨年十月、セガ・エンタープライゼス副社長から@ホームジャパンに転身した廣瀬禎彦社長は、「招待者のほぼ一〇〇%が事務所開きに来てくれた。時流の手ごたえを感じる」と話す。

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