クリントン米大統領が三月に南アジアを歴訪した際、イスラム過激派が暗殺を企てていたことが明らかになった。ワシントンの米情報機関筋などによると、クリントン大統領は最初の訪問国バングラデシュに三月二十日に到着。当初はその日の夕、首都ダッカ郊外の農村を視察する予定だったが、「大統領の乗るヘリコプターをバングラのイスラム過激派組織がスティンガー・ミサイルで撃墜する秘密計画の詳細がシークレットサービスに入ったため、視察開始直前に予定変更になった」という。

 この過激派組織はハルカト・ジハドと呼ばれ、欧米派のバングラの知識人暗殺計画を練っていることが最近発覚、注目されるようになった。バングラの情報機関は、ハルカト・ジハドがサウジアラビアの富豪で反米テロの黒幕とされるオサマ・ビン・ラディンから資金援助を受けている証拠をつかんでおり、ヘリ撃墜計画もラディンが裏で糸を引いていた可能性が強いとみている。

 クリントン大統領がバングラに続きインド、パキスタンを訪問した際にも、英国や一部中東諸国から、イスラム過激派による暗殺計画情報が米情報機関にもたらされていたといわれる。

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