大口電力の小売自由化で、NTTなどライバルが次々と出現 三月二十一日、改正電気事業法の施行に伴い、大口需要家向けの電力小売自由化がスタートした。卸売までに限られていた電力事業の開放が、ついに小売にまで広がり、欧米に比べ割高と批判される日本の電力料金に、企業間競争というメスが入ることになる。 今回自由化されるのは、電気の使用規模が二千キロワット以上で、二万ボルト以上の高圧電線で受電する需要家向けの電力事業。主に大規模な工場や大型商業施設向けなどで、電力需要全体の約三割、金額にして約三兆円といわれる巨大市場への参入機会が、電力会社以外の一般企業に与えられる。「地域独占」という温床で長年暮らしてきた東京電力など国内十電力会社は本格的な競争の時代へ突入する。 実際に、国内外の企業がビジネスチャンスをうかがって、参入への準備に余念がない。 先陣を切ろうとしているのが大手商社。米国や東南アジアなどで手がけるIPP(独立系発電事業者)の経験を生かして、三菱商事や三井物産などが社内に専門チームを設けて日本での事業化の検討を進めている。丸紅はフランスの大手企業ビベンディと合弁会社を設立し、共同で電力小売に進出する方針。外資では米国最大のエネルギー会社、エンロンがオリックスと合弁会社を設けている。

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