北朝鮮が、サイバーテロ分野に本格的に着手し始めた疑いが濃厚になり、関係者が情報収集に全力を挙げている。

 公安当局によると、北朝鮮軍内部で最近、組織の改編があり、サイバーテロ研究のための金正日総書記直属の専門チームが発足した可能性が高いという。ミサイル開発など従来型の軍備拡張が極めて高いコストと年月を必要とすることから、サイバーテロ分野への方向転換を図ろうとするものだとみられるが、「北朝鮮は何よりもサイバーテロの破壊力に注目している」と軍事筋は分析している。

 北朝鮮にとって最大の問題となっているのは、サイバーテロを実行する専門家の育成。平壌にコンピュータ技術大学が設立されているが、専門家の不足を補うべく、最近になって国内の各道の道庁所在地の地名がつけられたコンピュータ技術大学が次々と設立されているという情報もある。
 軍事筋は「工作員などによる人的テロに対しては対処も可能だが、サイバーテロに対しては効果的な防御手段がない。国家規模でサイバーテロを仕掛けられた場合の被害は、想像を絶する」と警告している。

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