――流動性比率、総資産回転率などが抜群の数字ですね。

 学生時代のビジネスで大きな借財を負った経験もあり、メッツでは創業以来、“優れた製品を開発するだけでなく、財務的にも優秀であることがエクセレントカンパニーの条件である”という方針で、キャッシュフローをベースとする強固な財務体質づくりに努力してきた。具体的には無借金経営、現金による回収と支払い、極限までのコスト削減、そして完全売り切り販売契約による無在庫経営を志向しています。

 

――現在の事業概要は?

 主力はグラフィックソフトの『G・クルー』と『フォト・クルー』、宛名ソフトの『筆自慢』の三製品。G・クルーはグラフィックソフトとしては国内シェア一六%でトップ、筆自慢は累積ユーザー数一五〇万人で国内シェア二位、フォト・クルーも昨年の発売ながら年間シェア三位を占めている。売上高構成ではグラフィックソフトが五七%、筆自慢が四三%です。

 

――開発体制を教えて下さい。

 社員一九人のうち一四人がプログラマーとテスト担当者。彼らは画像を処理する数学的なアルゴリズム開発と各種の機能(部品)開発を担っている。ソフトは、それらを共通の部品として活用するテクノロジー・プラットホーム方式で開発され、製品の具体的な設計は私と役員二人の三人だけが担当しています。私たちの自慢は、出荷予定日に遅れたことがない、バグが発見されて製品をリコールしたことが一度もないことです。

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