“勝利の方程式”を模索する新旧IT企業群の命運

執筆者:フォーサイト編集部2000年5月号

 ランキング一〇〇位の大半はIT関連企業が占めた。IT経済では日々、新たなビジネスが生まれ、淘汰も進む。いまだ勝者なき混沌を四つに分類しつつ、未来の「株主重視型企業」を探る。

 IT(情報技術)が世界、そして日本の経済の鍵を握っている。ITが既存の企業の生産性を向上させることは確かだが、経済の成長なり復興なりは、ITを業とする企業の成長があってはじめて達成される――。こうした認識こそ広まってきたものの、IT企業が成長を果たすためのビジネスモデルとなると、暗中模索が続いている。

 インターネットは、起源を米国の軍用ネットに持ち、民間へ開放されてからも主に学術利用されてきたという経緯から、長らく無料が前提だった。だからこそネットには柔軟性が生まれ、米国を中心に様々なビジネスモデルが登場する素地にもなったのだが、淘汰も繰り返されている。

 ハイテク製品・部品に関連するモノづくり事業でさえ、勝てるビジネスモデルはクルクル変わる。IT経済の本命と目されるソフトやサービスを担うネット企業ともなれば、米国でさえその大半は赤字経営というのが実状だ。

 とはいえ、ネットビジネスそのものには、四つのカテゴリーができつつある。(1)インフラ、(2)コンテンツ、(3)Eコマース、(4)カスタマイズである。

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