「ユーザー重視」で系列を越えたシチズン時計の優良子会社 シチズン電子は、発行済株式数の六五・五%を保有するシチズン時計の子会社でありながら、近年相次いで独自商品を開発し、いまや売上高の七〇%強をシチズン時計以外の企業向けが占めるまでになった。主力はハイテク機器用の電子部品で、チップLEDやIrDAモジュール(赤外線利用の無線データ通信用部品)といったオプトデバイス(光学部品)や電子ブザーが、その代表例だ。 このうち、収益の牽引役はオプトデバイス。とりわけ、三五―四〇%という世界シェア(推定)を誇るチップLEDランプの存在感が大きい。チップLEDはパソコンや携帯電話の表面に実装するためのLED(発光ダイオード)で、開発は一九八三年。情報端末機器の小型・軽量化の進展で不可欠な部品となったが、その一方で大量生産とコストダウンが求められた。この要請にいち早く応えたのがシチズン電子だった。 そのほかの製品も好調だ。IrDAモジュールが九八年にソニーの携帯用ゲーム機「ポケットステーション」に採用されたほか、LEDとスイッチを一体化させた超小型照光式タクトスイッチもカーオーディオや携帯電話向けの出荷が伸びている。これらオプトデバイスの売上げ構成比は、九八年度の四九・一%から現在は六〇%前後に高まったとみられる。

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