ドイツが威信をかけて計画した「ハノーバー万博」が、六月一日の開幕直後から市民にそっぽを向かれ、大コケに終わる恐れが出ている。 万博主催者は十月末までの会期中に四千万人、つまり平均して日に二十六万人余が門をくぐると見込んだ。ところがふたを開けてみると、最初の週末すら人出は一日七万人程度にとどまり、続く平日は広大な会場に人影もまばらという惨状となった。初日こそ目標の十五万人を達成したものの、三万人の無料招待客や六千人の建設作業員をサクラとしてかき集めた結果だった。“ホスト”のシュレーダー首相は、クリントン米大統領の訪独と日程が重なったにもかかわらず開幕前日から現地入りし「世界に開かれたドイツを示すすばらしい舞台」と必死に宣伝した。理由はある。万博が失敗して赤字を残せば、出資者である国と地元ニーダーザクセン州が穴埋めしなければならず、現首相にして同州前首相のシュレーダー氏の政治責任がダブルで問われかねないのだ。「いまさら万博?」という市民の無関心が露骨に出てしまった今回のハノーバー万博。五年後に愛知万博を開く予定の日本にとっても、他人事ではない。

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