そごう、マイカル、ダイエー、セゾン――。なぜ事態は悪化しているのか

「あの報道は本当か」――。五月二十五日の夕刻、大阪と東京にある、そごうの管理部門は異様な緊張に包まれた。民放のニュース番組が「日本長期信用銀行(現・新生銀行)が、大口融資先であるそごうの債権放棄を拒否する」と報じたのである。

 そごうは去る四月六日、グループ国内店舗の再編や人員削減などを柱として、十二年でグループの借入金を一兆円削減するという再建計画を発表。同時に取引銀行七十三行に対し、総額六千三百九十億円の債権放棄を要請した。だが六月九日現在、債権放棄受け入れを表明しているのはメーンバンクの日本興業銀行のみ。当初は五月末までに各行からの合意取り付けを目指したものの、五月二十六日には六月末に目処を先送りしている。

 そごうの生殺与奪の権を握っているのは、長銀から生まれ変わった新生銀行だ。同行はそごうの準メーン行。要請された債権放棄額は九百七十億円で、メーンバンク・興銀の千八百一億円に次ぐ。いまのところ態度を保留している新生銀だが、このまま債権放棄を拒否すれば、そごうの破綻はたちまち現実味を増してくる。

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