「三和・東海・東洋信託の三行連合」が再び揺れている。三和銀行と東海銀行はあさひ銀行との統合を断念し、二〇〇二年春に合併したうえで東洋信託銀行と共同持ち株会社を設立することで合意したが、東海銀行が経営支援中の千代田生命保険をめぐって三行の関係が微妙になっているという。 千代田生命はもともと東海銀行と親密な生保だが、経営の健全性を示すソルベンシーマージン(支払い余力)が二六三%に低迷。一千億―二千億円の資金支援が必要だとされている。東海銀行は支援を表明するとともに、三和銀行、東洋信託銀行にも支援協力を要請しているが、三和銀行と東洋信託銀行は「無関係な会社に巨額の支援をすれば背任になりかねない」と冷ややかな態度を示しているという。 ただ「千代田生命問題」は東海銀行にとって死活問題。「本当は東海銀行も三和連合から離脱したがっていたが、単独では千代田生命を救済できない事情があって我慢しているに過ぎない」(関係筋)。つまり「千代田生命のためにいやいや連合に加わっているのが実情」(同)だというわけだ。千代田生命の支援問題が三和・東海・東洋信託連合の行方を占うことになりそうだ。

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