人気ゲーム『ファイナルファンタジー』で知られるゲームソフト大手スクウェアが、九月二十二日から開催される「東京ゲームショウ」への出展を取りやめたことが波紋を呼んでいる。同ショウは世界最大のゲーム見本市で、毎年各ソフト会社が新作をアピールする場だ。スクウェアは締め切り直前の七月三日に急遽出展取りやめを通告。同社が予定していたスペースは約六百平方メートルで、開催側は千八百万円近くに上る賃貸料収入をフイにした計算だ。「スクウェアの資金難か」とささやかれたが、ある関係者は「もっと根深い問題」と話す。スクウェアは数億円を投じて「プレイステーション2」用に実写と見紛うようなCGを使った野球ゲームを開発したが、発売の目処が立っていない。というのも、プロ野球のゲーム化権を独占している大手のコナミの許諾を受けずに宣伝や広告を打ち、コナミから抗議されたためだ。実はコナミの上月(こうづき)景正社長はゲームショウを主催する業界団体の会長も務めている。今回の出展取りやめは、コナミへの意趣返しでは、というわけだ。事実ならゲーム業界らしい泥仕合だが、ソフトやゲームショウを楽しみにしていたファンにとっては迷惑な話だ。

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