日産・ルノー「まとめてフォード入り」の観測も 六月二十日、東京・東銀座の日産自動車本社ビル新館。百一回目を数える同社の定時株主総会には、過去最多となる六百六人の株主が出席した。主会場となった五階講堂には議長の塙義一会長兼社長(同日付けで会長専任に)ほか取締役九人が顔をそろえた。総会は過去最長の四時間に及んだが、圧倒的な存在感を示したのはやはりカルロス・ゴーン最高執行責任者(同日付けで社長に就任)だった。「今日こうして次期社長として皆様にお話しできることは大変光栄で、身の引き締まる思いがいたします」 五カ国語を操る語学の天才は、流暢な日本語を交えて約二十分間スピーチ、日産が成長を持続させるための基礎固めが順調に進んでいることを強調した。一九九九年度には事業会社としては史上最悪の六千八百四十四億円の最終赤字を計上したが、「年金債務、リストラ費用、国際会計基準への移行に伴う費用を一過性の引当金として処理した。過去の負の遺産は一掃された」と“意義”を訴えた。 ゴーン氏は最後まで強気の姿勢を崩さず、株主との質疑応答では、「連結ベースで黒字にならなければ辞める。エグゼクティブ・コミッティー(全取締役で構成)の全員が辞める」と明言、昨年十月に大々的に発表された再建策「日産リバイバルプラン(NRP)」遂行への自信をあらためて印象づけた。

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