FBI(米連邦捜査局)が開発した電子情報監視システム「カーニボーレ」の日本への導入可能性が取り沙汰されている。カーニボーレは組織犯罪捜査のために開発されたもので、インターネット・プロバイダーのネットワークにこのシステムを組み込むことで、捜査対象が送受信する電子メールなど全ての通信情報の内容、記録を自動的に傍受できる。 カーニボーレとは、「肉食獣」の意味で、捜査対象の肉や骨まで貪欲に食らい尽くすという同システムの恐るべき実力から命名されたと言われている。ロシアでは、電子メール監視システムに同様の方式が採用されており、英国でも同方式の導入がほぼ決定されているという。日本では、電子メールなどをリアルタイムで傍受する技術は開発されておらず、治安当局は同システムの導入に重大な関心を寄せている。 治安当局幹部は、「マフィアやテロ集団などの犯罪組織は、銃や麻薬、武器などの国際取引に電子メールを多用しており、カーニボーレ方式の採用は、今後の組織犯罪対策には不可欠だ」と語る。ただ、米国でもカーニボーレの「驚異的な威力」にプライバシー保護団体などが抗議を強めており、日本での同システムの導入にはかなりの曲折が予想される。

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