中国共産党の内部事情に通じた香港の消息筋によれば、同党指導部は八月上旬河北省の避暑地、北戴河で恒例の重要会議を開催、江沢民国家主席(党総書記)が主席ポストを後継者に譲る時期について今年中に結論を出す旨を明らかにした。 この会議では台湾問題や世界貿易機関(WTO)加盟後の課題、国内経済問題などが討議された後、江主席自身の提案で権力継承の手順が初めて話し合われた。 二〇〇二年秋に予定される第十六回党大会で幹部の若返りを重要方針とすることが再確認され、江氏は(1)同大会前の来年春、国家主席のポストを後継者に譲る用意がある(2)来年七月の党創設八十周年の祝賀式典後には総書記辞任も検討する――との考えを示した。 今回の会議では権力継承問題に関し具体的な合意はなかったが、江氏は国家主席辞任の時期についてはできる限り年内に明示したいと語るとともに、後任として胡錦濤国家副主席が昇格することは自明と考えているとみられる発言を繰り返したという。 ただ、江主席はもう一つの兼任ポストである中央軍事委主席には一切言及しなかったといわれる。

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