1500万台

執筆者:伊藤洋一2000年8月号

 日本の「モバイル・ネット王国」ぶりを物語る数字だ。一五〇〇万台は携帯電話などインターネットに接続できるモバイルの端末数。対して電話回線などラインにつながる日本のインターネット端末(主にパソコン)数は二〇〇〇万台である。 前者(モバイル・ネット端末数)の伸びはすさまじく、今年の末か遅くとも来年初めには有線ネットの端末数を上回ると見込まれる。アメリカを含めて世界の国々の中にあって携帯電話で大規模にインターネットが出来るシステムを持つ国は日本だけ。まさに世界で独走の「モバイル・ネット王国」となった。 モバイル・ネット端末の本格的な登場は一九九九年二月二十二日。今からわずか一年半前。NTTドコモのiモードが出た日だが、そのiモードは二〇〇〇年七月末で一〇〇〇万台に達した。ドコモ以外のモバイル・ネット端末五〇〇万台と合わせて、そのほとんどはここ一年に出てきたものだ。 重要なのは、モバイル・ネット端末の伸びはさらに加速すると見られていること。今年の秋にはソニー、マイクロソフトなどが手のひらに乗ることから「パームトップ」と呼ばれるネット端末(PDA)を相次いで発売する。今までシャープのザウルスや米パーム社製品が主力だった市場に参入して、新たな需要を喚起する。そして本命は来年春に予定されているIMT-2000(次世代携帯電話)である。

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