中国共産党の内部情報では、党は来春にも党副総書記のポストを新設、江沢民国家主席(共産党総書記)が最も信頼する側近、曾慶紅・党組織部長を就任させる可能性が強まってきた。江主席は今春以降、党幹部の若返りを主張しており、その考えに沿った人事だが、実際に新設された場合、次期党総書記に最も近い胡錦濤・国家副主席との関係がきわめて微妙になるのは確実だ。江主席には側近の曾氏を押し立てたい考えがある一方、自らが上海から中央に呼んだ曾氏を一方的に優遇することへの反発を意識、「胡国家副主席との実績競争を二〇〇二年の次期党大会まで続けさせたうえで、曾氏の党総書記就任の正当性を固めようという考え」との観測もある。 その場合、次期指導部は「胡国家主席、曾共産党総書記」となり、国家と党のトップが分離され、江主席が党中央軍事委員会主席のポストにとどまる「トウ小平型」統治になる見込み。ただ軍内では新四軍の幹部だった曾山の息子である曾慶紅への親近感が強く、曾氏がいずれ中央軍事委主席になる可能性が浮上してきそうだ。いずれにせよ、九月末に開かれる五中全会で曾氏が政治局員入りするかが来春につながる大きなポイントになる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。