伊藤忠商事が、西武百貨店および同社傘下の吉野家ディー・アンド・シーへの資本参加を決めたことで、伊藤忠とイトーヨーカドーグループとの提携が、「きわめて微妙な状況」となってきた。 伊藤忠は、食品部門出身である丹羽宇一郎社長のリーダーシップのもとで、これまでにも西武系のコンビニであるファミリーマートに資本参加してきており、流通への進出を加速している。 そんな進出の動きに対しては、「複数の流通グループへの商品提供、技術関連の協力は、いくら担当部門が違うといっても、社内での利益相反があまりに大きい」との批判が、伊蔵忠の社内だけでなくヨーカドー側からもあがっているという。 伊藤忠の社内には、「ファミリーマートはいずれセブン-イレブンと合併させ、キャピタルゲインを得るとともに、ヨーカドーグループの拡大ということで恩を売る」との考えもあるのだという。しかしながら、今回出資した西武百貨店は、七月に民事再生法の適用を申請したそごうとの合併シナリオが動いており、ヨーカドーには何のメリットもない。 今後の展開次第ではヨーカドーグループが伊藤忠と絶縁する可能性も否定できない。

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