セガ・エンタープライゼスの社長兼会長を務め、同社の筆頭株主CSKのオーナーでもある大川功氏(七四)が今夏、食道ガンの切除手術を受けていたことが分かった。関係者によると、「いまのところ術後は良好だが、高齢でもあり再発する可能性は否定できない」という。 大川氏は今年五月、セガに乗り込んで本田技研工業出身の入交昭一郎氏を社長から副会長に棚上げし、再建を陣頭指揮。七月にはセガの中枢部門を東京・羽田の本社から、自らの個人事務所のある六本木に引っ越させ、文字通り目と鼻の先でセガを管理下に置いた。 ところが夏に入ると、セガの企業活動がぴたりと止まった。大川氏と親しい関係者は「ゴルフに誘ってもなかなか出てこない」といぶかしがっていた。さすがの大川氏も入院中には意気消沈し、社長会長の兼務では身が持たないと愚痴をこぼしていたという。セガ社内では一時期本気で後継社長の人選が始まっていたようだが、大川氏は若いころ結核で数年間床に伏した闘病経験の持ち主で、そう簡単にガンに屈するとは思えない。ただ、「二年でセガを再建する」(大川氏)という目標にまた一つ難題が持ち上がったのは確かだ。

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