韓国と北朝鮮の軍事的な緊張緩和の象徴として京義線鉄道の再開が準備されている。京義線は、南北を結ぶ幹線鉄道で、五十五年ぶりにソウルと新義州間が再び繋がることになった。南北双方ともに、地雷撤去など連結に向けた作業を開始。さらに鉄道と並行して四車線道路も新設されることになり、来年九月には軍事境界線を越えて鉄道と道路が完成する見通しだ。 道路や鉄道が開通すれば、南北のみならず中国、シベリアなどを巻き込んだ経済効果が期待される一方で、韓国内では国防上の懸念が日増しに強まっているという。 軍事筋によれば、韓国国防省は、北が鉄道や道路を使って侵入してきた場合に備えて、迎撃部隊の配置などについて極秘のプロジェクトをスタートさせたという。 地雷を除去したことなどで、ソウルまでわずか一時間で進軍することが可能となり、短時間で韓国が致命的な打撃を受ける可能性が出てくるためだ。さらに、北は工事の準備作業に二個師団、約三万五千人の兵力を動員しているというが、具体的な作業内容は明らかにはなっていない。韓国内には、この兵力による奇襲攻撃を警戒する声すらある。

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