CIS内部の新組織GUUAMとは何か

執筆者:2000年11月号

 独立国家共同体(CIS)の内部で、盟王ロシアの締め付けに対抗するために設立されたGUUAMに米国が接近している。 このほとんど知られていない組織は、グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバによって一九九六年に設立され、九九年には中央アジアの地域大国ウズベキスタンも加盟した。GUUAMとは、これらの国名の頭文字から来ている。 従来は不定期に会合し、各国に駐留するロシア軍の削減問題などを協議していた。しかし、ロシアは最近、これらの国への石油や天然ガスの供給制限をちらつかせたり、ロシアで働くCIS各国の労働者へのビザ発給を制限するなどしている。GUUAMはこれに対抗するため、国連ミレニアムサミットを機に首脳が会談し、年二回の首脳会議開催で合意するなど急速に結束を強めている。 こうした動きの背後には、ブレジンスキー元米大統領国家安全保障補佐官がいると伝えられ、米国はこのほど、GUUAM諸国に四千五百五十万ドルの軍事援助を決めた。 米国は、ロシアを牽制するため、さらにトルコやルーマニアをGUUAMにオブザーバー参加させようと画策しているという。

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