北朝鮮のサイバー戦闘能力が高度な実戦レベルに達していることが明らかになり、米韓など関係各国が警戒を強めている。軍事筋によると、北朝鮮は九〇年代に入って前線部隊と人民武力省間の光ケーブル網を構築。C3I(指揮・統制・通信・情報)システムも完成しており、毎年百人規模でサイバー戦の専門家も養成、実戦配備しているという。 同筋は、北朝鮮のサイバー戦闘能力について、「極めて高度なレベルに達している」としたうえで「サイバー攻撃を仕掛けられれば、韓国軍、在韓米軍の兵器、情報体系は甚大な被害を受ける」と指摘する。 こうした状況下、韓国国防部では、ネットワーク侵入探知、ウィルス遮断システムなどを来年から全軍に拡大設置、アンチ・サイバー戦体制の確立を急ぐという。米国が、北朝鮮との対話を急進展させた背景についても、「北のミサイルの脅威は、サイバー戦闘能力に比べたら子供だまし程度。北のサイバー戦闘能力の脅威を米国が察知したのが、最大の要因」と軍事筋は明かす。同筋は「ミサイル開発を隠れ蓑に時間を稼いで、サイバー戦闘能力を実戦レベルに高めた北朝鮮の作戦勝ち」と分析している。

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