ソウルで開かれたアジア欧州会議(ASEM)に出席したインドネシアのワヒド大統領が、「二〇〇一年はじめにメガワティ副大統領を北朝鮮に派遣し、同年中には私自身が訪問したい」と述べた。ASEMやASEANは、韓国と北朝鮮の六月の南北首脳会談以降の関係改善を歓迎し、北朝鮮との関係構築に向けた動きがあり、ワヒド大統領の発言もこれにそったものだった。だが実は、メガワティ副大統領の北朝鮮訪問は今年初めから密かに計画されていた。 四月下旬に北朝鮮当局から招待を受けていたメガワティ副大統領は、金正日総書記との会談まで予定していたが、直前に南北首脳会談の準備のため北朝鮮側から延期された。その後、秋の訪問で再調整が進んでいたが、これを阻止したのは他でもないワヒド大統領だった。「年内は自分の外遊日程が詰まっており、副大統領は国内に留まるべき」と副大統領訪朝に待ったをかけたのだ。 北朝鮮側があくまで民主化運動のシンボル的存在のメガワティ副大統領の訪問にこだわった結果、ワヒド大統領は不満ながらも自身の訪朝前に副大統領訪朝という変則的な選択を迫られたわけで、両者の確執はますます深刻化しているという。

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