ペルーの陰の実力者とされたモンテシノス前国家情報部(SIN)顧問による野党議員買収工作のビデオ暴露でフジモリ大統領は早期退陣表明に追い込まれたが、実は同前顧問が大統領にとって致命的打撃となるビデオを隠し持っているとの情報がある。 リマの複数の消息筋が元SIN要員の話として語ったもので、ビデオの詳細は分かっていないが、極左ゲリラ問題に関する軍幹部との密会、フジモリ政権と外国政府・企業トップとの重要会合などを収めたものだという。 消息筋は「トゥパク・アマル革命運動(MRTA)が一九九六年暮れに起こした日本大使公邸占拠・人質事件に関するビデオもあり、これらが公になるとペルーを根底から揺さぶり、日本を含む外国政府にも大きなショックを与えるものすごい内容のようだ」と指摘している。 こうしたビデオはモンテシノス前顧問の極秘命令でSIN要員が撮影し、その所在場所については同前顧問しか知らないといわれる。フジモリ大統領がいったんはパナマへ出国させた同前顧問の帰国を事実上容認したのは極秘ビデオの存在が関係していると消息筋らは推測している。

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