優良顧客情報の交流をめぐって、金融界に混乱が起きている。 消費者金融利用者の個人情報を業界各社に有料提供している全国信用情報連合会(全情連)は、株式会社「テラネット」を設立し、銀行が出資して消費者金融分野に参入した個人ローン会社などに個人信用情報を有料提供するサービスを十二月十一日から始めた。事故情報(ブラック情報)の交流はこれまでも行なわれてきたが、今回の対象は優良顧客情報(ホワイト情報)である。 これをめぐって消費者金融業界は真っ二つ。最大手「武富士」を筆頭に中小百社が「反対」を表明する一方、銀行出資企業と資本提携している「プロミス」「アイフル」などの大手は「賛成」。いわば「独立路線の武富士」と「銀行との協調路線組」の対立の構図なのだ。 さらに状況を複雑にしているのは、全情連会長でテラネット社長も務める浜田武雄・レイク元会長の存在。「浜田さんはバブル期に不動産投機に失敗し、GEキャピタルにレイクを買収されて追い出された。その彼が金融界での影響力の復活を図ろうとしている」(業界筋)。 銀行、消費者金融、浜田氏の思惑が絡み合い、問題は複雑化しそうだ。

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