インターネットのドメイン名を大企業などが取得できないケースが相次ぐなか、大手信販会社のジャックスが提訴していた自社名ドメインの第三者による使用差し止め訴訟で、富山地裁は十二月六日、原告の訴えを認める判決を言い渡した。ドメイン名の使用差し止めを認めたのは国内初だが、この問題が解決に向かうとみるのはまだまだ早計のようだ。 ジャックスのケースは、被告の簡易組み立てトイレ販売業社が二年前に登録した「jaccs.co.jp」を使った自社ホームページを利用して営業活動を行なったり、ジャックスに高額な買い取り金や和解金を要求した行為が立証されたことから、不正競争行為違反と認定された。要するに、露骨でお粗末なケースといえる。 しかし、第三者が有名企業やタレントのドメイン名を勝手に取得しても、それを使って営業活動したり、当事者に買い取りを要求しなければ、不正競争行為や商標権侵害を適用するのは難しい。「国際的な紛争処理ルールでは、ドメインの移転を勝ち取るには悪意の立証が前提となるため、企業が『売ってください』と言ってくるのを待っている輩には実のところ対処できない」(司法関係者)というのが現実のようだ。

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