「シンガポールはパプア・ニューギニアや東ティモールのASEAN加盟を妨害し、ASEAN首脳会議で中国をはじめとする東アジア諸国との関係強化ばかりに関心を示した」 十一月下旬にシンガポールで開催されたASEAN首脳会議に出席したインドネシアのワヒド大統領が、シンガポールを激しく非難。対するシンガポールのリー・クアンユー上級相も、ワヒド大統領の退陣も近いと言い放ち、再びワヒド大統領が「これまでシンガポールと対抗する勇気を備えていたのはマレーシアのマハティール首相だけだったが、今後同首相は友人を持つことになる」とやり返した。 この発言に先立ち、ワヒド大統領はマハティール首相と会談。その席上で、両国が協調してシンガポールへの水供給を停止することも議題にあがったという。これが事実だとすれば、シンガポールは深刻な危機を迎えることになる。水資源を隣国に頼るシンガポールは、これまでマレーシアとの関係が悪化する度に、インドネシアから水を買い入れてきた。現在、海水の淡水化プロジェクトの推進に力を入れ始めているが、シンガポールが新たな安全保障問題を抱え込んだのは確かだ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。