民主党のクリントン政権で商務長官を務めた日系のノーマン・ミネタ氏が、引き続き共和党のブッシュ新政権でも運輸長官に起用されることが決まったが、ワシントンではこの決定に批判が集中している。 民主党の中堅スタッフは「いわば大統領職を盗んだようなブッシュの下で民主党のミネタ氏が仕事をするのは民主党への背信行為」と話す。一方、共和党側のアジア系団体のある幹部も「これではブッシュ政権でもミネタ氏がアジア系の代表者になる。共和党員としてブッシュ氏を応援したアジア系の働きは報われない」との不満を漏らす。 だが、ブッシュ政権にとってはミネタ氏は最初の選択肢ではなかったようだ。意中の人は台湾出身のエレーン・チャオ女史(のちに労働長官に指名)だったが、経歴の問題があり、急遽ミネタ氏が指名されることになったという。 一月八日、商務省で、ミネタ氏のさよならパーティーが開かれた。出席者は主にアジア系で、会場からは「次はミネタ氏をアジア系初の副大統領候補に」との発言も聞かれた。また、超党派でミネタ氏をアジア系代表にしようという勢力もある。ただ、今回の続投の吉凶は、まだ不明だ。

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