ミャンマーの民主化運動指導者で現在、軍政当局から自宅軟禁措置を受けているノーベル平和賞受賞者、アウン・サン・スー・チーさんの軟禁が近く解除されるとの見方が強まっている。これは一月五日からヤンゴンを訪問していたラザリ国連特使に近い筋が明らかにしたもので、ラザリ特使は滞在中キン・ニュン国家平和発展評議会(SPDC)第一書記やウィン・アウン外相と会談した後、スー・チーさんの自宅を訪れ二度にわたって会談した。 また昨年来、キン・ニュン氏とスー・チーさんも直接会談、スー・チーさんが、同じく軟禁中のアウン・シュエ議長、ティン・ウ副議長ら野党幹部とも、当局の許可の下、会談していたことが明らかになった。 ラザリ特使は「軍政、スー・チーさんの双方が柔軟な姿勢を示し始めており、これはいい兆候だ」と述べるに止まったが、特使が交渉仲介役の形を務め、軟禁解除に向けた条件や時期などについて踏み込んだ意見交換を行なったとされている。 この背景には、長引く経済制裁による影響の深刻化があるといわれ、軍政は早ければ四月にも総選挙を実施し、民主化に向けた動きを始めるとの観測が高まっている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。