日本と韓国が領有権を主張している島根県隠岐島北西に位置する竹島をめぐって、北朝鮮が何らかの具体的な行動を起こす可能性が強まっているという。竹島は、東島(女島)、西島(男島)と呼ばれる二つの小島とその周辺の数十の岩礁から構成されており、東島には一九五四年から韓国警備隊が常駐、施設の増強など領有の既成事実化を図っている。 軍事筋によると、こうしたなかで北朝鮮は昨年暮れ、労働新聞の紙上で「日本当局者たちが土地に少しでも触れるならば、無慈悲な刑罰が下るだろう」との論評を突然掲載、「民族の尊厳と国の自主権を侵害蹂躙することに対しては、絶対に容赦しない」との立場を強調した。 森喜朗首相らが相次いで竹島領有を主張したことに対する牽制と見られるが、軍事筋は「金正日総書記が、竹島に対する具体的行動を指令したという有力情報がある」と明かす。 同筋は「部隊編成も完了している」としており、関係当局が情報の分析を急いでいる。北朝鮮の真の狙いや、どのような形の行動を起こすかについて詳細は現段階では不明だが、同筋は「軍事施設化を図る可能性もある。北が韓国との折り合いをどう付けるのかなどについても注視していく必要がある」と指摘している。

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