日商岩井、トーメン、ニチメンの総合商社三社が、持ち株会社方式で事実上の合併に踏み切る可能性が高まっている。三社は単独での生き残りは困難とみて、昨年から建材部門、情報通信部門などで日商岩井―ニチメンの統合を進め、今年に入ってトーメン、ニチメンは中核事業の農薬・医薬部門の統合も決めた。 今後は三社の間接部門を一本化、大リストラを断行することでコスト競争力を高め、傘下に部門カンパニー、海外現地法人を置き、本社機能は戦略立案と資金調達に特化する新しいタイプの総合商社として生き残りを図る考えのようだ。「三社がそれぞれ強い部門を持ち寄れば、伊藤忠、丸紅クラスにも十分対抗できる」(関係者)と見ている。 問題は、本社機能の統合で二千人程度のホワイトカラーのリストラが必要になることである。子会社への押し込みをやりすぎれば、子会社が活力を失い、共倒れになりかねない。また資金調達面で信用力を改善できるかという点にも疑問が残る。そのため場合によっては後ろ盾としてトーメンに強い影響力を持ち、総合商社化に意欲のあるトヨタ自動車系の豊田通商が統合に加わる可能性も否定できない。

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