経済担当の大統領補佐官に指名されたローレンス・リンゼー元米連邦準備理事会(FRB)理事。クリントン政権の国家経済会議(NEC)のような新組織のトップも兼ねると見られ、ブッシュ新政権の経済政策の要となる。 太った体躯を揺らしながら愛矯のある笑みを浮かべるリンゼー氏は、ローレンス・サマーズ前財務長官とはハーバード大学で同窓だった。優等生だったサマーズ氏とは違い、さほど目立った存在ではなかったようだが、サマーズ氏へのライバル意識は強いとされる。昨年十二月から今年初めにかけ、景気減速に懸念を表明するブッシュ次期大統領サイドに対し、クリントン政権が激しく反発する場面があったが、これなども一面ではリンゼーvs.サマーズの代理戦争の感があった。 リンゼー氏はブッシュ大統領の父親のジョージ・ブッシュ大統領時代に大統領特別補佐官を務め、九一年から九七年までFRB理事。その後、保守系シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート」の常任研究員を務めた。ブッシュ大統領とはハーバード時代の同級生のアラン・ハバード氏の紹介で知り合い、たちまち意気投合。ブッシュ氏の経済に関する「先生」になると同時に、大型減税などを一手に立案した。それだけブッシュ氏の信頼は厚いと言える。

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