行き詰まったGEキャピタル

執筆者:2001年1月号

リテール事業で高まる批判。日本リースは売却説も―― 一九九八年から九九年初頭のGEキャピタル(GEC)は、まさに「黒船」だった。九八年二月に東邦生命保険から営業権を譲り受けて合弁会社を設立(現GEエジソン生命保険)し、外資主導での生保再編の幕を開けた。同年十一月には、消費者金融大手レイクを買収(現GEコンシューマー・クレジット)。リテール(小口金融)分野への本格的な参入を印象づけた。そして極めつきは、子会社日本リースオートとともに戦後最大の二兆三千八百億円の負債を抱えて倒産した日本リースから、九九年一月にリース事業を買収(現GEキャピタル・リーシング)してホールセール(法人取引)分野にも橋頭堡を築いてみせたことだろう。 米ゼネラル・エレクトリック(GE)の一事業ながら、時価総額世界一を争う同グループの売上の半分を占めるこの世界最大のノンバンクが、“日本買い”を急加速したのである。ジャック・ウェルチGE会長というスターを頂点に戴き、「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌がその買収戦略を高く評価したGECの手腕には、「日本企業再生の道標になるのでは」との期待の声も高かった。 だが、日本リース買収を最後にGECの快進撃はぴたりと止まってしまう。GECが九九年十一月に「消費者金融事業を買収して子会社化する」と表明していた信販大手ライフが、二〇〇〇年五月、突如、会社更生法を申請し倒産した。倒産後も引き続き支援表明したが、最終的には国内の競争相手である消費者金融大手アイフルにさらわれた。破綻した協栄生命の支援先としても手を挙げたが、その権利は僅か数日で米大手生保のプルデンシャルに獲得されてしまったのだ。

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