「野党共闘が仮に不調でも、自民党は参院選に敗北し、与野党逆転が実現する」。自由党の小沢一郎党首が政界再編に向けて始動した。一月八日には、念願の私塾「小沢一郎政治塾」を開講。約四百人の応募があり、小沢チルドレンの予備軍である五十一人が入塾、二年間にわたり政治の理念と実践を学ぶ。 十日には、名古屋で記者会見し、自民党内の衆院中選挙区制復活の動きに「姑息だ。政権担当の資格はない」と一喝。翌十一日には、犬猿の仲といわれた民主党の熊谷弘幹事長代理と都内のホテルで、政局、選挙協力について話し合い、熊谷氏は関係修復に意欲を見せている。会談では、民主、自由両党の選挙協力が固まれば、社民党の土井たか子党首を交えて三党首会談を実現することを確認。それ以前に、小沢氏は土井党首との会談を一月中に実現する方向だ。 もともと加藤政局の際、側近の平野貞夫参院議員が提案した「土井首班構想」に小沢氏は乗り気だった。土井首班構想とは、内閣不信任案が可決されれば土井選挙管理内閣を擁立して一気に政界再編の環境を作るというもの。この構想は参院選後でも十分適用可能だ。近く、小沢、土井両党首、民主党の羽田孜特別代表、共産党の不破哲三議長との「同期会」をやるというのも、その布石といえる。

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