北朝鮮の軍需産業の実態が、中国人民解放軍瀋陽軍区の極秘調査報告で明らかになり、関係者の間に波紋を広げている。 軍事筋によると、同調査では、北朝鮮の軍需産業は「第二経済委員会」と呼ばれる組織に属しており、約二百の軍需関連企業と約百の軍需転用できる民需工場が存在しているという。同委員会は、総局が軍需計画、資金調達などを担当。現場は、各部門ごとに第一から第七までの機械工業局で統括されている。 なかでも注目されるのは、生物・化学兵器部門で、中央生物研究所などのほか、咸興、井州などに生産設備があり、コレラ、炭疽、発疹チフスなど約十五種類の細菌類を年間約一トン以上も生産・保管できる能力があることが確認された。 また、ミサイル部門でも、各種誘導ミサイル関連工場やミサイル発射施設などが咸北、江界など約十カ所に配置されているという。 軍事筋は、「今回の調査は、北朝鮮の軍需産業の詳細を初めて体系的に解明したという点で画期的」と解説。「生物・化学兵器部門が予想以上の能力を有しているのが確認されたことは周辺国の日本にとって憂慮すべき事態だ」と警告している。

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