エリツィン前ロシア政権の「金庫番」で、汚職疑惑の中心人物とされるボロジン前大統領府総務局長が先に米国で逮捕されたが、その陰の仕掛人がプーチン大統領ではないのかとの説がクレムリンで流れている。 モスクワの消息筋が明らかにしたもので、「プーチン仕掛人」説の最大の根拠とされるのは、同大統領の出身機関である連邦保安局が、ブッシュ米新大統領就任式出席のためボロジン氏がニューヨークへ向かうのを事前に米側に知らせた形跡があること。 プーチン氏はエリツィン政権下でボロジン氏の部下だったため、同氏の身柄が資金洗浄疑惑を捜査中のスイス当局に引き渡されれば、プーチン氏自身の関与も露呈すると一般にはいわれている。しかし、実は昨年暮れ、ロシア検察当局が二年間の捜査を打ち切ったことから、自分には火の粉がかからないとの確信を得たという。 プーチン大統領は汚職疑惑の影響よりも、ロシアとベラルーシが創設した新連邦の国務長官として影響力を振るい始めたボロジン氏に強い懸念を抱き、同氏を外国に追いやることで政治的抹殺を図ったと、同筋は分析している。

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