外務省元要人外国訪問支援室長、松尾克俊氏による機密費(報償費)流用問題は、警視庁捜査二課が急ピッチで捜査を詰めているが、東京地検特捜部も独自捜査に着手した模様だ。警視庁の捜査員は「地検は『官邸まで捜査対象とするなら、検察と合同捜査の態勢にした方が捜査をやりやすい』との理由で捜査体制を拡充しているが、特捜部は外務省絡みの汚職を狙っているようだ」と言う。 検察筋によると、捜査の照準は昨年の九州・沖縄サミットをめぐる政治家の汚職。「特捜部は松尾の流用疑惑自体には興味はない。欲しいのは要人外国訪問支援室と政治家の癒着に関する情報だ。最も興味をもっているのは沖縄に利権を築いた自民党の閣僚経験者だ」(検察関係者)。 検察が注目するのは、支援室が、政治家の外遊の際の土産納入業者や、サミット開催に絡む飲食店や弁当納入業者の決定・契約権をもっていたことだ。しかも松尾氏は沖縄サミットの準備事務局次長も務めていた。沖縄サミットをめぐり、地元では「有力代議士が傘下の業者をサミット会場の“公認業者”とするよう外務省に圧力をかけ、業者からリベートを取った」との噂が流れていた。流用疑惑の次は、サミット汚職か。

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