インドネシアで、「クレヨンしんちゃん」が槍玉にあげられている。 人口の約九割をイスラム教徒が占めるインドネシアでは、イスラム教徒が食用を禁じられている豚の成分を精製過程で混入しながら表示を怠ったとして、「消費者保護法違反」の容疑で味の素の日本人幹部らが身柄を拘束されたばかりだが、今度は日本の漫画「クレヨンしんちゃん」が、新たな日本バッシングの材料となっているのだ。「クレヨンしんちゃん」は、インドネシアの民放で放映され、翻訳された漫画本も子供たちの間で人気となっている。しかし、「しんちゃん」が、女の子のスカートをめくったり、両親の性生活に関するきわどい発言をしていることが「教育上問題がある」と教育関係者らから批判され、現地の週刊誌も「ポルノか革命的芸術か」と特集を組む騒動に発展している。味の素事件の直後だけに、放送局では放映時間を夜に変更するなどの対策を明らかにしている。 インドネシアでは、ワヒド政権に対する国民の不満が高まっており、これを逸らすために政権側が意図的に宗教や教育問題にかこつけて外国企業・文化を狙い撃ちしているのでは、との憶測も広まっている。

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