「新五人組」が二月五日、首相官邸近くの日本料理店に集まった。顔ぶれは、野中広務前幹事長、青木幹雄参院幹事長、亀井静香政調会長、古賀誠幹事長、村岡兼造総務会長。森喜朗首相とKSD疑惑の渦中にある村上正邦前参院議員会長に代わり、古賀氏と村岡氏が加わった。五人組が森政権を誕生させたが、新五人組の狙いはポスト森をにらんだ環境作りとみられる。 会をリードするのは野中、青木両氏だが、古賀氏の存在も重い。野中、古賀両氏は昨年十一月の「加藤政局」の仕掛け人。野中氏が十一月六日、内閣支持率低下とスキャンダル続きの森内閣について「森ではもたん」と古賀氏に伝え、古賀氏は加藤紘一元幹事長と野中氏の極秘会談を画策。会談は実現しなかったが、一時的にせよ森首相を見限った人々だ。青木氏もKSD、機密費流用事件で揺れる森内閣では七月の参院選を戦えないと思っているのは明らかだ。「森さんは明るくて批判も気にしていない。辞める気などさらさらない」(町村信孝文部科学相)。だが、野中、青木、古賀三氏の密談は年初来頻繁になっている。三人に亀井氏と村岡氏を加えた新五人組が、森降ろしで一致すれば、橋本派、江藤・亀井派、実質的に古賀氏の影響下にある堀内派の三派で党内過半数を占めるだけに、事態は一気に動く。ポスト森の一番手はやはり小泉純一郎元厚相だが、新五人組から首相が出る可能性もある。その場合には、野中選挙管理内閣もあり得る。

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