一月の訪中に続き、今春にも金正日総書記の韓国訪問が予定されるなど、北朝鮮と中韓両国の接近が伝えられているが、経済交流は早くも行き詰まりの気配だ。北朝鮮の「開放なき改革」路線に対し、相手国側から不満が噴出しているからだ。 九八年、金大中政権の唱える太陽政策の目玉として始まった現代グループの北朝鮮・金剛山観光事業が、ツアー客の減少で不振に陥っているのは知られたところ。独占開発権の見返りとして、二〇〇五年二月までに北朝鮮に約九億四千万ドル(約一千百億円)が支払われることが決まっているが、月々の支払いさえも滞っている状況だ。現代に続き、投資を始めた中韓企業も軒並み利益は上がっていないという。 最大の原因は北朝鮮の受け入れ態勢。合弁事業を始めると、決まって軍関係者が現地トップに就任し、効率無視の方針を押し付けてくるからだ。「投資や貿易を始めた途端、北朝鮮側の会社が倒産したり看板を付け替えたりと、これではまるで取り込み詐欺」(中国朝鮮族筋)。様子見を決め込む在日朝鮮人社会は、「北朝鮮は相変わらず自分たちのことしか考えていない、何一つ変わらない国」(貿易商)と呆れ顔だ。

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